お弁当甲子園 結果

今年で第10回目となる、
鎌倉女子大主催の「お弁当甲子園」。
なんと、8,956もの作品の応募があった。
私たち夫婦が審査員として参加させていただいているのは、
確か2016年からなので、今回で6回目だ。

個人で応募してくるケースもあれば、
高校の先生が、夏休みの課題のひとつとして生徒たちに提案しているケースもあるようで、
毎年、応募数は増えている。(嬉しい!)
「いままで一度も料理をしたことがなかったです」という男子高生が、
相当悪戦苦闘したであろう弁当なども見られて、とても楽しい。
去年は、男子校に通う息子を持つ群馬の親友が、
「うちの子も、夏休みに弁当作って応募したよ」と言っていた。
うわー、どんな弁当だろう、と楽しみにしていたが、
残念ながら、最初の選考を通過できず、私たちの手元にはこなかった。

回を追うごとに、弁当の中身がグレードアップしている気がする。
というか、もはや私が作る弁当より、どれも素敵だ。
正直、感心しっぱなしだ。

ただ、作り終わって気が抜けてしまうのか、
あれまあ、残念! という写真になっている場合も多い。

時代だなあ、と思うのは、
父や母を元気づけるために、○○を作りました、という時に、
私だったら、父の好きな豚肉の生姜焼きを、というふうに献立を考えるのだけど、
愛犬の○○を表現しました、となる点だ。
(応募にあたっては「弁当に込めた思い」を300字以内で書く。)

海苔をちょきちょきやって、ご飯の上にハムもの載せて、
可愛い愛犬のできあがり、の弁当。
写真では、愛犬のおにぎりが、アップになっていた。
他におかずにお肉を焼いたものがあるようだったが(献立名に書いてあった)
それが、写っていない。端っこにあったのだろうな。
でも本人は、渾身の作品の愛犬こそ、見て欲しかったんだなあ、と思った。
それを食べた家族は、キャー、似てるねえ、と笑顔になって、
楽しい弁当の時間を過ごしたはず。
それで、いいのだ。

https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/8175

お弁当甲子園の、受賞作品、ウェブ上でぜひ見てください!





















# by naomiabe2020 | 2021-11-20 12:59 | ライターの仕事 | Comments(0)

鍼のセンセイ

朝ベッドから起き上がる時や、じっと座っていて立ち上がる時、
いてて・・・となるけれど、
腰の痛みはかなり改善。

昨日また、鍼の先生のもとへ。
ラジオの相撲中継がかかるなか、
まずは、先生の子ども時代を過ごした長崎の話から。
その頃食べた鯵やイワシがどんなに美味しかったか、
ああ、野球の大谷選手すごいけど、高校時代の監督さんがよかったよね、
そういえば、自分らの頃はど根性主義だったから、よく殴られたよね、
日本酒といえば、やっぱり山形の「大山」が好きだよ、
あれは、友達がやけ酒を呑んだときに付き合って一晩でひと瓶飲んじゃったけど、
二日酔いにならなかったんだから・・・・
酒の肴には、地だこがいいんだ。
でも、こっちには回ってこないよね、ほやもなまこも、うまいよね。

いつものごとく、
あっちへこっちへ、行ったり来たりの話を聞きながら、
全身をあずける。
時々、鍼がちくっと痛い時があって「あ、ごめん」と先生が言う。
お、これはストライクゾーンだ、と思う時もあって、
全然痛みは感じず、ツボを刺激している時に、首や肩にびんびんくることもある。
鍼って不思議。

先生は、盲導犬と一緒にどこへでも行く。
60代後半か70代だと思うのだが、
目が見えなくても、とにかく積極的だ。

コロナ前までよく通っていた居酒屋があったらしく、
そこは、刺身を出してくれる時などに
「鯛が4切れ、並んでますよ」とか、店員の人が一声かけてくれるそうで、
「ああいう一言があると、助かるんだ」と、先生が言った。
確かに、そうだなあと思う。
見えなくても、ちゃんと頭の中に鯛の切り身を思い描くことができて、
あと1切れ残っているなあ、と思えばこそ、ゆっくり味わえるというものだ。

鍼のセンセイ_c0402074_11540284.jpg

昨日は、私から先生へ柿をちょこっとおすそ分け。
この季節、サトル君の山形の親戚が、
柿をひと箱送ってくれる。
結婚して、荘内柿の美味しさを知った。
売り物じゃなく、庭にある柿の木だというのも驚きだ。
詰め方からして、美しい。
群馬の母に半分送ると、
やっぱり心待ちにしていた母も、大喜びしていた。






















# by naomiabe2020 | 2021-11-20 12:03 | 日々のこと | Comments(0)

やってしまった!

明日は新潟だ~、と旅の準備を始めたのは夕方。
1泊なので、荷物はコンパクト。
服を選んでバッグに詰める・・・・・しゃがみながら、手を伸ばしたその瞬間、
ああああ、やってしまった!
腰に電流が走った。びりびりっと、強いのが駆け抜ける。
フリーズしたまま、問いかける。
やっぱり、あれだよね、やっちゃったよね。
ちょっとでも体を動かすと激痛が走るので、
そろーり、そろーり動いて、ひとまず椅子に腰かけた。
あまりのタイミングの悪さに、我ながら泣ける。
でもこういう時は、逆に笑えるもので、
へっぴり腰の自分の動きがおかしくて、笑ってしまい、
いててて、と悶える。

なんでいつも、おべんとうの取材ででかける直前に、ぎっくり腰をやっちゃうんだろう。
家で原稿を書いている日のほうが多いのに。
3回目である。

前にも書いたけれど、
1回目は、草津温泉の湯もみさんの取材の日の朝。
2回目は、北海道の獣医さんを取材する前日の夜。

夫婦で一緒に仕事をしていて良いところは、
妻がぎっくり腰になっても、取材に行けるというところだ。
ごめーん、箸より重いものは持てませーん、と堂々と言える。
撮影機材が山のようにあっても、全部ひとりで運んでね、と言える。
動くたび「あいててて・・・・」と、口に出して痛がれる。
ちょっと、あれ取ってくれる? と、下に落としたものも取ってもらえる。
ちょっと具合悪いから、寝てるわ、話しかけないでね、と言える。
これらのことに、罪悪感を感じない。

とまあ、夫ゆえに気を使わなくても済む。
写真を撮る人がぎっくり腰では仕事にならないが、
私の場合は、頭さえ冴えていれば大丈夫。なんとかなるのだ。

風邪やインフルエンザのような人に移してしまう病気の場合は、
決して無理はしない。
取材を延期する方法を選ぶ。
でも、そうでない場合には、極力こちらの都合で取材日を変えたくない。
これは、過去の経験でそう心に決めている。
人との出会いは、本当に縁だと思うし、タイミングというものが何よりも大切だと思うからだ。
その日を逃してしまったがゆえに、その人を取材できなくなる可能性だってある。

現に、草津温泉の取材の後、私の母が体調を崩して入院してしまって、
私はその後、群馬と東京を行き来することになった。
あの日に取材をしていなかったら、どうなっていたことか。

というわけで、新潟へ行く、と決めた。
身体をちょとずつ動かしているうちに、なんとかなりそうと思えた。
過去2回、なんとかなったんだから大丈夫、と自分に言い聞かせる。

痛み止めの薬を飲んで、新潟へ。
天気予報では雨マークだったのに、
実際の天気は、2日間とも太陽が見られた。

無事に帰ってきて、心の底からほっとしている。
なにより、今回もいい取材をさせてもらった。
楽しかった。いい時間だった!
出会ったみなさんの顔を思い出しながら、あまりにほっとして泣きそう。

近所の鍼の先生のところへ駆け込んだ。
「でんでん太鼓、ちゃんと毎日やらなきゃ」と言われる。
腕を腰のまわりにぶらぶらさせる、あの動きだ。
「腰にぶすっと鍼やるより、反対そくを使うからね」
ということで、左の腰が痛い私の場合、右側のいろんなところに鍼を打ってくれた。
なんというか、身体の中の渋滞がすーっと流れた感じだ。
鍼の先生には、いざという時、もう何年もお世話になっている。
最初の予約の時に、「いくらでしょうか」と聞くと「うちは、だいたいみんな、
40分の4千円コースかなあ」と言うので、「じゃあそれで」とお願いして、
以来何も言わなくても4千円なのだけれど、いつも1時間以上やってくれる。
私にだけでなく、たぶん皆に対してそうなのだ。
鍼のほかに、マッサージもやってもらって、
ああ、ありがたや~と帰る時には、「これ持ってって」
と、りんごまでいただいた。
前は、納豆をいただいたっけ。
そういう先生なのだ。

こういう絶体絶命、ピンチ!な時、
周りの皆さんの温かさが心に沁みる。
ああ、ありがたいわー。


やってしまった!_c0402074_18315689.jpg
取材日の朝の風景。
山の麓に広がる雲海が、何とも幻想的だった!
取材でお世話になった方々、ありがとうございました!





























# by naomiabe2020 | 2021-11-14 18:38 | ライターの仕事 | Comments(0)

悪意のあるサイト

先日、見つけてしまった。

自著「おべんとうの時間がきらいだった」(岩波文庫)が、無料でダウンロードできます、

というサイトがネット上にあった。

なぬ??

無料は困るぞ。

岩波書店の担当編集Mさんにメールを送ると、

すぐさま、電話がかかってきて、

「阿部さん、もしやダウンロードしちゃいました?」と。

「いえいえ、しておりません(おそろしや~)」と答えると、

「ああ、よかったです」とUさん。


おそらく、悪意のあるサイトです、という。

編集部でも、本当だったらダウンロードして確認したいところだけれど、

それによってウィルスにやられるとか、のっとられるとか、なにか恐ろしい事態になるかもしれないので、

実は、確認するすべがないんですよ、とのこと。


爆弾かどうか、爆発させてみないとわからない、みたいな状態。


毎日、持っていないカード会社からあれやこれや、詐欺まがいのメールが届くし、

買ってもいないものを買った、という請求メールが届くし、

本当に、わけがわからないネットの世界。

怖すぎる。


書籍の無料ダウンロードは、気をつけましょう。

せっかく私の本を読みたい、と思ってくださった人が、変な事態に巻き込まれるのは嫌なので、

お近くの、図書館でぜひ借りてくださいませ。

こちら、岩波からの注意喚起です。

https://www.iwanami.co.jp/news/n21629.html




# by naomiabe2020 | 2021-11-07 15:19 | ライターの仕事 | Comments(0)

わっしょいニッポン

東芝エレベータ株式会社の広報室が発行している、
「FUTURE DESIGN]という冊子で、
わっしょいニッポンという連載ページを持たせてもらっています。
サトルくんとの連載。

今更ながら、どうして「わっしょいニッポン」というタイトルにしたのだったか。
編集のNさんが命名したのか、
私たちの提案だったか・・・・。
お弁当の写真を撮り始めた時にサトルくんが
タイトルは「ニッポンチャチャチャ」だ!と宣言した、あの流れを汲んでいるなあ、と思う。

わっしょい、というお祭りのようなタイトルだが、
一発華やかに打ち上げようぜ、的な内容ではありません。
日本各地、その地域の魅力を発信している人に話を聞きたい、というのが始まり。
最近よく耳にする、「地域おこし」というのとは、ちょっと違う角度で。
自治体を巻き込んだりする活動というよりも、
もっと個人的で、地道に、自分がやりたいことだからやってきた、というような人たちを
できるだけ取り上げてきた。

この人探しもまた、一筋縄ではいかないのです。
常に、きょろきょろしっぱなしです。
出会いというのは、どこにあるか本当にわからないし、面白い。

というわけで、今回は東京要町の「あさやけ子ども食堂」を運営する
皆さんに登場いただきました。
https://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/book/fd/fd65/book.html
(クリックして、そのページにとんで欲しいのだけれど反応せず・・・・。
すんません)

https://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/pr/futuredesign/
(こちらは、FUTURE DESIGNのバックナンバーです。
こっちも反応しません あらま)

「東芝エレベータ わっしょいニッポン」 のキーワードで検索してみてくださいね。
ちなみに、53号から連載をやっています。
毎号、後ろの見開きページですので、お時間のある方は見てくださいませ!





# by naomiabe2020 | 2021-11-07 14:49 | ライターの仕事 | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


by 阿部直美