カテゴリ:食べること( 4 )

サトル弁当

娘の通う高校はまだ通常モードどはいかないのだが、弁当がスタート。
いつぶりだ? もう思い出せない。
弁当作り、それは前の日の夜に始まる。
夕飯を、ちょびっと取り分けておくところからだ。
いや、その前の夕方の買い物からだ。
とりあえず、赤と緑をそろえておく。
赤といえば、プチトマト。緑はインゲンとかブロッコリーとか、アスパラとか。
黄色の卵は、あったっけ?

そうだった。
日々の夕飯だって、弁当のことを考えながら献立を考えるのだった。
刺身とか煮魚とかは、却下。
その場合は、他に弁当用に何か用意せねばならない・・・・とかなんとか考えることじたい、久しぶりすぎる。

しかし、ここのところのコロナ禍で、サトル父さんが我が家の台所を牛耳っており、
私は冷蔵庫事情に疎くなっていた。
ああ、始まるのか。ついに、弁当生活が始まるのか、と冷蔵庫を開けて眺めていたら、
「初日は俺が作る」とサトル父さん。

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これが、それ。
私には、既視感がある。
「おべんとうの時間がきらいだった」の本を読んでくれた人は、「おおっ」と気づくと思う。
煮込みハンバーグとゆで卵。
初めて、彼が私に作ってくれた弁当のおかずが、それだった。

その日、娘は「おいしかったよー」と空の弁当箱を持ち帰った。
サトル父さんが、にやりとして、
「俺さ、あの本を読んだばっかりだから、影響されたらしいよ」と言った。

私のエッセイ本が出版された後、自分が本の中に出てきて変な気分だ、と言いながら再び読んでいたのだった。

今日からは、私が弁当作りである。
いんげんの肉巻きと卵焼き。
ああ、結局いつも同じなんだよなあ。で、明日はどうする?



by naomiabe2020 | 2020-06-25 16:29 | 食べること | Comments(0)

志々島の磯の香り

香川県の志々島に、大好きな人がいる。
Tさん、という元花農家さん。私の母より、もう一回り上の世代の女性。

たまーに、電話がかかってくる。
「ながとも、出てたなあ」というのが、開口一番。
夫が、サラメシに出演した翌日あたりに、「見たよ」と知らせてくれるのだ。

おべんとうの取材で、もう何年も前に島にお邪魔した。
その時、斎藤工のファンだというTさんに、「僕は、サッカーの長友に似てるって言われることもあるんですよ」
と、なんともずうずうしいことをサトル君が言い、
「あれえ、そういやあ、そう見えなくもないねえ」みたいに、Tさんはノッてくれた。
以来、「ながとも、出てたなあ~」と、テレビで見た時などに電話をくれるようになった。

最近サラメシに出ていないので、心配してくれてたみたいだ。
(3月に入っていたロケはキャンセルになり、以来このコロナ騒ぎでサトル君の出る撮影は行われていない)

そのTさんから、ソラマメと魚の一夜干しが届いた。
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この魚はサヨリで、1年に10日くらいの間、スズキに追いかけられて、
島の近くにやってくるそうだ。
「雨が降ったみたいじゃった」
「もう、おもしろうておもしろうて、息子と一緒になっておっきな玉で掬ったんじゃ」とのこと。

玉で魚をすくった、というのだから、すごい。
昔、旦那さんが亡くなる前は、夫婦船で魚を捕っていた。
だから、魚のことはよく知っているのだ。

Tさんが、夢中で玉ですくった魚。
火であぶって食べると、ちょうどいい塩加減、磯の香りがした。
ソラマメも、おいしかった。

週に一度、船に乗って買い物で出る時だけ、
気合を入れてマスクをするそうだ。
元気でいて欲しい。
会いたいなあ。



by naomiabe2020 | 2020-05-15 14:05 | 食べること | Comments(3)

ソラマメのパスタ

本日のランチ。
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千葉のSさんからいただいた、ソラマメ。
青々として、ぷっくり膨らんだソラマメを前に、がぜん張り切るサトル父ちゃん。
「昼はパスタだ!」と朝から宣言。
おっと、待てよ。料理にとりかかる前に、
せっかくのソラマメを編集のNさんにもお裾分けしよう、とチャリでひとっ走りして
近所のNさんの玄関先で手渡し、
お返しに、と焼きたてのフォッカチャをいただいてきた。

千葉のSさんは、今年体調を崩してしまって
「あたしは、この春全然ソラマメをかまってやれなかったんだよ」とのことで
畑仕事は旦那さんがほとんどやったそうだ。
でも、電話の声は馴染みのあるいつもの明るさで、ほっとした。

Sさんのことを思い出しながら、家族みんなでおいしくソラマメのパスタをいただいた。
Nさんの奥さんが作ったフォッカチャも、塩味がきいてこうばしくてサイコーだった。

飲み物は、ビールに見えるがさにあらず。
去年仕込んだ、梅ジュース。
もうちょっとしたら、今年の梅が出てくるから、その前に去年の分を飲んでしまうのだ。






by naomiabe2020 | 2020-05-05 18:07 | 食べること | Comments(0)

イカンテを食す

ごはんが、すすむ。ぽりぽり、止まらない。



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今年も、宮崎のミネさんからいただいた「イカンテ」。
このところ、「おべんとうの人」からすっかり「台所の人」になっているサトル作の逸品。
この前作った時に、娘が「こりゃ、やばい。すごいおいしー」と絶賛したもんだから、
再度、今度は切干大根バージョンとともに、作ってくれた。
甘酢と、粉末のとうがらし(キムチ用に前に買ったやつ)
石垣島で買ったラー油などで味付け。(とのこと)

イカンテとは。
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大根なのである。
切干し大根よりも、もっと大きく切ったもの。

ミネさんが、奥さんと、96歳のミネコおばあちゃんと一緒に作る。
冬、そろそろ冷たい風が吹いてきたぞ!という季節になると、
自分の畑で作った大根を掘ってきて、家の前の作業場で家族総出で洗い、ひとつひとつ薄切りに切る。
それを、裏山で干すのである。
木と木の間に紐をわたして、そこに揺れる大根。
イカの手、みたいに見える。イカの手が、「イカンテ」に。
裏山で風に揺れるイカンテを見た時には、感動した。
ぽらん、ぽらん、風に揺れると、いいイカンテになる。

ミネさん家族の顔と、あの裏山を思い出しながらいただく。








by naomiabe2020 | 2020-05-03 16:47 | 食べること | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


by 阿部直美