雑誌の連載
2025年 10月 07日

沖縄・今帰仁村で黒糖をつくる與那さんのお弁当。
何年も前に別件の取材で沖縄北部を訪れた時、
たまたま道の駅で購入したのが、與那さんの「共栄社」の黒糖だった。
そこの売り場のおばちゃんが、とっても気さくな人で、
「昔ながらの手作りで黒糖を作ってるのよー」という言葉をずっと覚えていて、
このたびの取材に結び付く。
釜炊きの黒糖づくりを見せてもらった。
炊きあがったばかりの黒糖は、バットの上に伸ばすとすぐに固まる。
まだ余熱の残る黒糖は、
ほろほろっと口の中でとけて、得も言われぬおいしさだった。
とにかく目を見張ったのは、作業後の徹底した掃除。
砂糖の粒ひとつ、落ちていない。
道具もなにもかも、ぴっかぴかだ。
「そうじゃないと、アリさんの行列になっちゃうからねー」と言われて、
ああ、そうだった、と大きく頷く。
前に沖縄の民宿に泊まった時、
食べかけのお菓子を机に置いておいたら、
アリの行列ができてしまった。
ひえーっとのけぞった。
子どもの頃には、そういう経験があったけれど
いつからか、
家の中に砂糖がこぼれていても、
甘いものでべとべとしていても、
アリがそれを嗅ぎつけて、ずかずかと家の中までやってきて行列をなす、なんてことはなくなった。
沖縄のアリは、生命力が強いのかもしれないなあ、と思った。
連載「わたしの仕事」 写真はキッチンミノルさん。
今回は、植物学者の田中伸幸さんのお仕事の話。
NHKの朝ドラ「らんまん」で様々な植物が登場したが、
その監修を担当されていたのが、この田中さん。
実は取材の後で、たまたまニュース番組を見ていたら、
田中さんがオンラインで登場して、植物についての解説をしていた。
北海道大学のキャンパスで、まだ国内では未確認とされる
猛毒を持つ植物が発見されたとのことだった。
触ると皮膚が炎症を起こすらしい。
よくわからない植物があれば、
田中さんに聞こう、となるわけだ。
田中さんは、国立科学博物館の研究者で、
取材は、つくば市のハ―バリウムにお邪魔した。
すごい方なのだけれど、とてもチャーミングでユーモアたっぷりの方でもある。
そして、タフガイだ。
インタビューの日、「このあとミャンマーのカカボラジ山の麓へ調査に行くんですよ」とおっしゃり、
私は家に帰ってから、カカボラジ山を検索して、
ぎょぎょっとなった。
すごい場所だ。山に登るわけではないとはいえ、幻の山の麓だ。
後日の「密着の日」(一日の仕事に密着)
元気な田中さんにお会いできてほっとした。
旅の写真を、ひとつひとつ見せていただき、
この仕事をしていて本当に良かったな、と思った。
「喫茶店のあるじ」は、
静岡県伊東市の「See The Forest」さん。
夏だったし、きっと道が混んでいると思い、
海コースではなく山コースを選んでカーナビを頼りに行った。
ら、最後が山道くねくねになり、
どう見ても、山の作業道に迷い込んだみたいな感じだった。
車酔いをして、へろへろしながら到着。
いただいたアイスコーヒーがおいしくて、ああ生き返った~とひとごこちつく。
若い夫婦が切り盛りするお店。
誌面には写真をのせられなかったけれど、
バインミーもおいしかった。
手作りのプリンもチーズケーキもキャロットケーキも、全部が私好みだった。
by naomiabe2020
| 2025-10-07 17:10
| ライターの仕事
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