羽田空港を発つ前、
霧で視界が悪いため、着陸できない場合は羽田に引き返します、というアナウンスがあった。
まじか・・・・。
行先は大分空港。
せめて福岡とか伊丹辺りに着陸して欲しいよなあ、と思いつつ、
運を天に任せて搭乗した。
最近乗った飛行機はどれも満席に近かったのに、
その便はガラガラ。コロナの渦中の時みたいだった。
もしかして、条件付きのフライトだから、切り替えた人もいる?
かなり不安な気持ちで搭乗したのだったけど、
フライトは快適だった。
雲の上は、すっきり快晴。
なにより、機長のアナウンスが良かった。
いつも思うのだけど、機長の生の声ほど安心感を与えるものはない。
「特に、低い声でゆったりとした口調の人!)
ただいま、○○の上空を飛行しております・・・・・
下に見えるのが、〇〇の山並みで・・・・・・・
普段より、長い時間のアナウンスだったのは、
きっと乗客に、今この時間を安心して過ごしてもらおう、という心遣いだ。
だってもう、飛び立っちゃっているわけで、心配したところで事態は変わらない。
この時点では、引き返すかも、という内容のことには触れていなかった。
いよいよ大分空港に近づいた時、
やはり視界が悪くて、このままでは着陸できない、というアナウンス。

下界はもくもく雲で、上空を旋回しつつ様子を見るとのこと。
頭の中は、午後からの取材をどうするか、
羽田のふりだしに戻ったら、次は便の多い福岡行きでトライするか、などなど考える。
でも、約束の時間には間に合わないよなあ、と。
「一瞬、視界が良くなったので着陸を試みます」
という機長のアナウンスが入って、
そこからは、窓の外が真っ白になった。
なんも見えない。今どこだ? やっぱり無理だよなあ、と諦めていた時、
突然、滑走路が窓の外に見えて、へ? と思う間もなく、
視界がわーっと広がって、あっという間に着陸した。
しかも、すーっと優雅に。
びっくりした。
乗客みんな、目をぱちくりして、ひゃーっと言った。
神業みたいだった。
後で知ったのだけど、
この便より少し前に到着予定だった便は、代替空港へ行き、
その後の便は、引き返した様子。
安全が第一、命あってこそだから、
着陸を見送ってもそれは機長の判断にお任せで、文句なんか言いませんとも。
でも、あの神業の瞬間は本当におどろいた。
私はいつも飛行機に乗る前、搭乗通路の窓の最後のところで立ち止まって、
操縦席のパイロットおふたりの顔を、拝ませていただく。
どうぞ、よろしくお願いします! と心の中で言って、頭をさげる(イメージ)。
降りる時にも、小さな窓からパイロット席を必ず見て(時々、待機しているお掃除の人たちとガチンコになる)
「ありがとうございましたー」と頭をさげる(イメージ)。
今回もそう。
本当にすごい仕事だなあ、と思う。
全くの余談だけど、この前歯医者に行って、虫歯をガリガリと削られている時も、
同じことを思ったのだった。
自分としては、命を預けてます、くらいの絶体絶命の気分で椅子に座って口を開いていて、
あの時に、パイロットのことを思ったのだった。
こっちは、すべてを他人に委ねている状態。
たまたま出会ったこの人に、こんなにも大変なことをやってもらっているんだなあ、なんてことを、
しみじみと思った次第。
あれ、今回のタイトルは「旅のスタイル」で、
書こうと思ったのは、飛行機じゃなかった。
電車です。
これまで旅の基本は、飛行機+レンタカーで、
特にお弁当の取材となると、写真機材が多くて、電車移動は無理だった。
しかも、行く先は山の中だったり街中の会社だったりして、
レンタカーで移動するのがベスト。
ところが、最近は旅のスタイルが変わった。
今回も、飛行機で大分空港に着いた後、バスにて別府の街なかへ移動。
「旅の手帖」の連載「喫茶店のあるじ」は、
相棒のサトル君のカメラ機材も少な目だ。
しかも、目指す「喫茶店」は交通の便のいい街中にある。
バス、電車、徒歩での移動。
更年期の身には、この暑さでちとバテ気味ではあるものの、
視点がかなり変化して、面白くもある。

こちら、ソニック号。
なんて可愛い電車だろう。
別府から福岡まで移動しました。
切符を前の席の頭のポケットに入れておいくと、車掌さんが来てチェックしてくれる。
でも、このまま入れっぱなしはいけませんよ。
外の景色を眺めながら、ついうとうとしていたら、
小倉の駅に到着。(したらしい)
なにせ、うとうとしてましたもんで、こっくりこっくりしつつ、
人の気配を感じて頭を上げると、え? となる。
フラッシュモブの始まりですか? と思った。
座ってた人たちが一斉に立ち上がって、何か動作を起こそうとしている。
頭がぼーっとしてるので、ついてゆけず、
とりあえず自分も席を立ったのだけど。
一瞬にして、皆さんが座席をくるっと回転しはじめた。
あれ? そうなの? え? どうやるんだっけ?
前の席のお兄ちゃんが、イライラしているのがわかる。
でも、こういう時って、動けないのだ。
私がぐずぐずしていたら、乗ってきた女性が、
「こうやるんですよ」と言って私の座席をくるっと回転してくれた。
たぶん、私以外の全員がソニック号の常連さんだったのだ。
斜め前のおばあちゃんの行動だって、早かった。
そして電車は前後の向きを変え、小倉から博多へ。
街を歩くようになって、
取材先以外でも、喫茶店を見つけて入るようになった。
これも、楽しい。


こちら、「旅の手帖」7月号は、仙台の「珈巣多夢」さん。
・・・と書いて、気づいた。
今日10日は、8月号の発売日だった。
私の手元にはまだ雑誌が届いてないので、すんません。
8月号は軽井沢の「ミハエル」さんですよ。
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