飛行機は、ほぼ満席だった。
羽田発の高知行き。
機内でふと、懐かしい気持ちになった。
ああ、この感じ、この感じ。久しぶりだなあ、と。
ざわざわ、ひそひそ、お喋りの声が前からも後ろからも聞こえてくる。
後ろのおっさんズは、ゴルフをしてから夜宴会をするらしく、
もうすでに、ウキウキしている。
高知空港に近づいて、低空飛行になったら、
「あ、あれだ、俺らが泊まるの!」
「うん、見える見える」
はしゃぐ様子が、ちょっと笑えた。
思い返せば、飛行機で移動する時、しーんと静まりかえっていることがほとんどだった。
なるべくお喋りは控えてください、というアナウンスも入る。
重苦しい空気だった。
それが、最近のキャンペーンのせいもあって、空気が変わったみたいだ。
今回私たちは、「大心劇場」のマメさんに会いに行った。
大心劇場は、すごいロケーションにある。
安芸郡の安田町。
写真の通り、え?ここに映画館があるの? と思うような道を進む。
橋の手前に、マメさん手描きの看板があるので、かろうじて、ここでいいんだ、と安心できる。
安田川がすぐ横を流れていて、反対側は山の斜面という場所だ。
わざわざ行きたくなる映画館。それが、大心劇場だ。
マメさんと私たちが呼んでいるのは、劇場主の小松さん。
「豆電球」という名前のシンガーソングライターでもある。
私たちが行った日も、映画上映の後にマメさんがギターを持って舞台に上がって一曲披露してくれた!
(なんとその日は、映画のお客さんも舞台に上がって一曲歌った!)
マメさんとの出会いは、もう10年くらい前になるだろうか。
映写技師でお弁当の人はいないかな、と探していた時に大心劇場を知った。
残念ながらマメさんは、お弁当持参ではなかったのだが、
「よく来るお客さんは、弁当を持ってきて映画を観ながら食べてるよ」とのことで、
そのお客さんである八田さん夫婦を紹介してくれた。
(書籍の「おべんとうの時間(2)」に、八田さんの記事掲載)
なんと、映画を観ながら夫婦ふたりで手作りのお弁当をつついていたのだ。
太陽がぱーっと出て明るくなった時に、おかずの位置を確認しておく、というから笑った。
ある時マメさんが、これ使いや、と手元のライトを貸してくれて、
以来、それで手元を照らしながら食べているという話だった。
あの時は、お弁当を食べたい人は、一番後ろの席でゆっくりどうぞ、という感じだったが、
今回行ったら、普通の座席に可動式のテーブルがいくつか用意してあった。
「これがあれば、弁当を食べやすいでしょ」ということだった。
あのおべんとう取材の後も、高知を訪れる時には、
ちょっと足を延ばして、マメさんを訪ねて行った。
娘も一緒に家族3人で立ち寄った時には、
「じゃあ、阿部さんファミリーに歌を送ります」なんて言って、
ギターを弾きながら、即興で歌ってくれたこともあった。
あれには、私たち一同大感激だった。
誰かが、あなたに会えて嬉しいよ、というのを歌ってくれるなんて、
(しかも、かっこよく)
普通では経験できないもの。
というわけで、久しぶりに会ったマメさんとの時間は、
最高だった。

高知をうたう、マメさんの新しいCDです。
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