大学生の夏休み

アマゾンプライムで配信がスタートしたのを知って、
小躍りしたのが、つい最近。
「This is us」シリーズ6 全部観てしまった。

この夏、娘の帰省がなくなり、
母さんとしては、表向き理解を示しつつ、
内心、ちょっとやさぐれた気持ちだったので、このドラマがあって良かった。
毎日、夕飯の後の2話ずつの楽しみ。
登場人物、ひとりひとりの人生にフォーカスしているから、
ドラマの中のみんなが、身近で愛しい存在に思えて、
すっかり自分がアメリカ人で、あそこで暮らしているみたいな気持ちになっていた。
それはサトル君も同じようで、
あの場面がさー、としょっちゅう振り返るのだけれど、(振り返るのが好きな人)
どうしても、レベッカとかケビンとか、英語圏の人名が覚えきれていないようで、
会話はいつも、こんがらがる。

そんな数日間も終わってしまった。
最高に好きなドラマだったのに。

というわけで、夜寝る前にまた本を読むことにした。
「破れ星、流れた」(倉本聰 著)幻冬舎
まだ途中だけれど、
「北の国から」の純くんは、まさに倉本少年だったのだなあ、と知る。
自身の子ども時代を振り返る随筆で、
戦争も、その後の混乱期についても、さすが倉本聰! といちいち唸ってしまうような文章。
好きなのだ。本当に、どうしようもなく倉本さんの作品が好きだ。
ああいう人が育った家庭はどんなだったんだろう、とずっと興味があったことが、書いてある。
おやじさんが、面白い。
東大受験8回目でやっと合格した中野さんとか、倉本家に関りのある人たちが面白い。

でも、思う。
実際は、どんな人でも個性派だ。
みんなその人の人生を生きていて、事件も起これば悲惨なこともあるし、抱腹絶倒のおもしろさだってある。
ただそれを、どうとらえるか。
倉本少年は、じーっと観察していたんだろうな。
人というものについて、観察を重ねていたんだろうな。
そうせざるを得ない気質、感受性があったんだろうな。

「北の国から」の熱狂的なファンだった私は、
大学2年の夏休み、ひとりで北海道を一周する旅に出た。
9月をまるまるあてた。
行き当たりばったりで、ユースホステルと、とほ民宿に予約を入れて泊まり歩く旅だ。
当時の北海道は、(今はどうなのかな?)一人旅天国だったので、
毎日が出会いの連続だった。
礼文島の桃岩ユースでは、ドラの音と八代亜紀の舟歌の大音量で朝起こされた記憶がある。
えりもユースでは、夕飯の後に「岬めぐり」の歌を歌いながら、変なふりつけの踊りをみんなで踊った。
礼文島をほぼ丸一日かけて歩いたり、
羅臼岳を登山してみたり(かなりハード!)
なんであんなに体力があったんだろう、と我ながらびっくりする。
旅の途中で、早大生のタカヤマ君と出会い、
富良野で「北の国から」めぐりをしたのだった。
自転車をレンタルして、「そうた兄ちゃんの牧場」とか「純がUFOを見た丘」とかを
地図を見ながらせっせと走った。

あの夏は、今思い返しても最高だった。

・・・・・なーんてことを、倉本さんの本を読みながら思い出していたところ、
娘から写メが届いた。
「羊の解体しました」
「今日は、朝4時半起きで海に来てます。鮭を釣った!」
北海道を旅している娘からのメール。
なんだかとっても、羨ましい。

母さん、父さんも好きなことをして生きてきたから、
帰ってこい、なんて言いませんとも。
言えないよなあ、と思っている。
ただ、親になってみると、ちょっとね、さみしい。
年末の楽しみにとっておこう。
































by naomiabe2020 | 2022-09-09 11:41 | 家族のこと | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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