キョーフの窓

この前、実家に帰った時のこと。
台所の北向きの窓ガラスを見て、あれ?と思った。
曇りガラス一面に、模様がある。
細い線がくねくねとのたくっている、変な模様だ。
母が、何かシールでも貼り付けたのかと思った。
(いつも母が座っている居間の窓ガラスに、外からの目隠し用のシールが貼ってある。
あれと同じようなものかな、と思ったのだ)
でも、窓の向こう側は竹が繁っており、もともとが曇りガラスなので、
人目を気にする必要もない。
「窓に何か貼った?」と聞くと、
「何もしてないよ」と即答。
「なんか、模様みたいなものが見えるけど」と言えば、
「ああ、虫だよ」
「・・・・」??????
「窓に向かって、叩いたんだよ」

ひえーっとのけぞった。

くねくねした棒状の模様は、そういうこと?
コバエ?
やっぱり、うちわを使ったわけ?

太陽の光の加減で、窓がてらてら光って模様が浮き立つのだ。
夜、道路を走る車のライトが、外から窓を照らした時も怖い。

「暑いね」と言いながら、
うちわを、バタバタと顔のまわりであおぎ続ける母。

今後、手巻き寿司を作る時には、よっぽど気をつけようと心に誓う。
うちわでご飯を決してあおがない。
この夏、家のあちこちに置いてあるうちわを、気軽に手に取ってあおがないぞ。

暑さが厳しくなり、実家でコバエが増えていた。
ぬか床周辺が、かなり怪しい。
ぬか床にいり糠を足すたび、ぱらぱらと周辺にぬかが落ちているのだ。
雑巾でごしごしと拭き取る。

窓は結局、見て見ぬふり。
そのまま帰ってきてしまった。











by naomiabe2020 | 2022-07-10 14:30 | 家族のこと | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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