この前、実家に帰った時のこと。
台所の北向きの窓ガラスを見て、あれ?と思った。
曇りガラス一面に、模様がある。
細い線がくねくねとのたくっている、変な模様だ。
母が、何かシールでも貼り付けたのかと思った。
(いつも母が座っている居間の窓ガラスに、外からの目隠し用のシールが貼ってある。
あれと同じようなものかな、と思ったのだ)
でも、窓の向こう側は竹が繁っており、もともとが曇りガラスなので、
人目を気にする必要もない。
「窓に何か貼った?」と聞くと、
「何もしてないよ」と即答。
「なんか、模様みたいなものが見えるけど」と言えば、
「ああ、虫だよ」
「・・・・」??????
「窓に向かって、叩いたんだよ」
ひえーっとのけぞった。
くねくねした棒状の模様は、そういうこと?
コバエ?
やっぱり、うちわを使ったわけ?
太陽の光の加減で、窓がてらてら光って模様が浮き立つのだ。
夜、道路を走る車のライトが、外から窓を照らした時も怖い。
「暑いね」と言いながら、
うちわを、バタバタと顔のまわりであおぎ続ける母。
今後、手巻き寿司を作る時には、よっぽど気をつけようと心に誓う。
うちわでご飯を決してあおがない。
この夏、家のあちこちに置いてあるうちわを、気軽に手に取ってあおがないぞ。
暑さが厳しくなり、実家でコバエが増えていた。
ぬか床周辺が、かなり怪しい。
ぬか床にいり糠を足すたび、ぱらぱらと周辺にぬかが落ちているのだ。
雑巾でごしごしと拭き取る。
窓は結局、見て見ぬふり。
そのまま帰ってきてしまった。