怖いくらいの静寂

ゴールデンウィーク前半に、群馬の実家へ帰省。
母を連れて新緑を浴びに行く。
午後から天気が崩れる予報だったこともあって、
早め、早めの行動を心がけたのが吉と出た。

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だーれも、いない。
3人で、鳥の声を聞きながらのんびり歩いていると、
「おーい」「大丈夫かー?」とすぐ近くで声がする。
見回しても、人の姿は見えない。
「おーい」「半分くらい、来られるかー?」
どこに、いるんだろう。

きょろきょろと見回して、びっくりした。
向こうの山のてっぺん辺りに、人のシルエットがある。
崖が切り立った山肌に、おもちゃみたいな人の姿。
じっと見ていると、ひとりが先に登り、もうひとりを待っている。
岩肌にへばりつくようにして、ロープを使って登っている様子。

まさか、この距離で? と思うが、
やっぱり、あのふたりの会話なのだった。

それくらいの静寂だった。
誰も他に喋る人のいない山。人工的な音もない。
風にのって、声が届く。
なんだか、神秘的でさえあった。
糸電話がつながっているみたいだ。
怖いくらいの静寂_c0402074_14242947.jpg
こうやって写真で見ると、さらに驚いてしまう。
あの山のてっぺんです。











by naomiabe2020 | 2022-05-05 14:36 | 家族のこと | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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