いつもの一日

いつもの一日_c0402074_10491835.jpg
  ■1月〇日のわたし

朝、目を覚ましてからが一苦労。
最近、ますます起きるのが苦手になり、身体が硬直して動かない。
こういうすべてを、更年期のせいにしているが、
お弁当を作る必要もないし、
朝ご飯を食べさせて娘を学校に送り出す必要もないし、
朝時間は、自分のためにある。
5時半に起きていたわたしよ、さらば。
というわけで、最近はグラノーラに出会って手抜きに拍車がかかる。
正直朝はそれほど食欲がないし、
これだったら、布団から出て30分後には朝のウォーキングにだって出られるのだ。
便通にもよし。

公園をぐるっとまわってくるのだけれど、
ベンチにずらっと並んで座る、おじちゃん達がいる。
ベンチが3つ並んでおり、そこに横並びのおじちゃんたち。
その時間はちょうど朝日を浴びて、皆の顔がぴかぴかと光っている。
日当たりのいいベンチなのだ。
目の前を通りすぎる時には、いつも「おはようございます」と皆さん顔を見る。
ひとり、キラーカーンみたいな見た目の、
屈強なおじちゃんがおり、おはよう、の後でいつも
「今日は足元がすべるよ」
とか、何かひとこと言ってくれる。
「あれ、お父ちゃんはいないの?」
結構夫婦で歩いていることが多いので、
どっちかがいない時には、必ずそう聞かれる。
夫は、何か気のきいたことを言いたくて、
久しぶりのウォーキングで「あれえ、ご無沙汰だったねえ」と言われた時には、
「明けましておめでとうございます」とか言って、(去年のはなしだ)
おもいっきり、すべっていた。
でもおじちゃん達は、この手のギャグには温かく、
あっはっは、と全身で笑ってくれた。

最近の冷え込みで、池が凍っている。
薄い氷、ぶあつそうな氷。
見ていると、割りたくてたまらなくなる。
枝、枝、枝! と辺りを見回して歩きながら、
梅の木の下に、太い枝が落ちているのを発見。
それを拾って、池の氷をつんつん、とする。
パリン、と割れる気持ち良さといったら。

よしよし、誰も見てないぞ。
朝の公園は人が少ないからいいのよね。

気が済み、また歩いていると、池の氷の上を小さな鳥が滑るように歩いていた。
あれは、アイススケートだ。
遊んでいるように見える。なんて可愛いんだろう、としばし見惚れる。


一日、自分の机で仕事をして、
さて夕方、近所のスーパーへ夕飯の買い出しへ。
その前のお楽しみ、私のオアシスの本屋へ。
本を買うのはここ、と決めている本屋がある。

ヨシタケシンスケ「あんなにあんなに」を立ち読み。
鼻の奥がつーんとなって、涙がこぼれそうになる。
あ、いけない。
去年これを立ち読みした時も確か、同じだったっけ。

次に「100万回死んだねこ」を手に取る。
これは、図書館に来る人達が「こんな本ありますか」と司書に尋ねる時の
覚え間違いについての本。
ぱらぱらっと開いた途端に、笑ってしまう。
おもしろすぎる。声が出てしまいそうで、
マスクをしていて良かった、と思う。

あっち側の本棚を、目で確認。
この本屋さんは、「東京商店夫婦」と「おべんとうの時間がきらいだった」を平積みで置いてくれているのだ。
去年からずっと、あの位置に。ポップもつけて。
「誰か、素敵な人に買われていってねー」と遠方よりアイコンタクト。
去年からそこにあることが、何だか本屋さんに申し訳ないような、
でも全部売れちゃうと、もうここに私の本がないことになるから、それはさみしいな、と思ったり。

ただひとつ言えるのは、本屋に本を置いてもらえるということは、
著者にとっては、何よりの励み。ありがたい。

いけない、いけない、外は真っ暗だ、とスーパーで食料品を買って自宅へ帰る。
というのが、まあ私のいつもの毎日。
地味で平凡だけれど、いとおしい日常。


いつもの一日_c0402074_11194813.jpg
こちら、PHP出版の冊子です。
1月号から、「家族のことばかり考えていた」エッセイを連載中。
今書店に並んでいるのが、2月号です。立ち見でも構いませんので、読んでね。
(でも、モヤモヤさせてしまうかもしれないです・・・・)


































by naomiabe2020 | 2022-01-20 11:25 | 日々のこと | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


by 阿部直美