東京に雪が降った昨日が、今年の取材始めだった。
それでもまだ、日常が始まった気がしない。
年末年始の、どこかふわふわした時間を引きづったままで居心地が悪い。
クリスマスの後、娘が帰省した。
私は、子どもを迎える立場になったから、数日前からそわそわしながら待ち、
一緒に過ごしている間ははしゃぎ、
帰ってしまった時には、ぽかんとなった。
夏にこれを経験した時は、自分の中で大波がたった。
あんまり大波だとつらいのだが、
今回は、それよりも小さな波へと変化した。
2回目、だからだろうか。
バタバタ慌ただしく過ぎたせいか。
帰省した娘を引き連れて、群馬の実家に帰省した。
私の母もやっぱり、その日を楽しみに待っている。
それはよくわかっている。
私は、機嫌よく、いい娘でありたいと思っているのだけれど、
年老いていく母と正面から向き合うことは、なんだかとっても難しい。
今朝、よいことをした。
よいことは、したくても簡単にできるものじゃないから、単純に嬉しい。
ゴミを捨てに外に出ると、女子高生が困った顔をして立っていて、
私のほうに歩いてきた。
「あの、すぐそこでこれを拾ったんですけど・・・」と財布を差し出す。
「交番に持っていったほうがいいよね」と言うが、
彼女は学校に遅刻してしまう。
「じゃあ、私が交番に持っていくね」と財布を預かって、彼女の名前などを聞いた。
ひとの財布を手にしていると、焦る。
だって、困っている顔が目に浮かぶ。
大丈夫ですよ、ちゃんとこちらで保護しましたよ、と今すぐ伝えたいが、
勝手に人の財布を覗くのは悪いので、ビニール袋に入れて”保護した感”を出し、
とにかく交番へ急いだ。
交番で、中身を確認してもらうと免許証も出てきたので、一安心。
本人に連絡がとれそうだ。よかった。
第一発見者の彼女の名前を告げて、帰ってきた。
それにしても、財布だけぽーんと道路に落ちてしまったのは、なぜだろう。
雪道で滑った?
よく落とし物をする私は、ひとごとではない。
気をつけねば、と気持ちを引き締めた2022年のはじまり。
それに比べると。