やんばるへ

緊急事態宣言が明けて、保留中だったものが一気に動き出した。
先週は、沖縄北部「やんばる」へ。
今回は、出発の直前に区内の病院でPCR検査を受けて、
陰性証明書を持っての取材旅。
それにしても、PCR検査にひとり25,000円は高い。
早く受けすぎても意味がないわけだし、
ぎりぎりに受けて、出発の直前に結果を受け取れることを考え検査場所を探したら、
病院が確実だった。
病院によっては、30,000円以上のところもあり、
安いところを探して、この料金。
正直びっくりした。
コロナとともに、と言いながら、この値段で気軽に受けることなんてできない。
もっと安い、PCRセンターみたいなところもあったけれど、
ネットの予約サイトをみたら、空きはなし。
近所で、「コロナの検査します」というテントを見つけて、
無料とわかり、これはラッキー、と話を聞いてみれば、
結果が出るまでに3~4日かかります、という。

ワクチン2回接種済みで、PCR検査陰性証明書を持っていても、
東京から来ました、という状況はどこか肩身が狭い。
沖縄は、特に大変な状況だったから。

北部のやんばるでは、オオシマゼミが大合唱していた。
うあん、うあん、という甲高い不思議な声色。
黒い大きな蝶が、花のまわりを乱舞している。
山間の小さな集落に滞在したのだが、
夕方になると、キョキョキョ、という鳥の声が山から響いた。
ヤンバルクイナの声だ!
共同売店が、その集落の中心的存在で、
みなさんが、コーヒーを買ったりアイスを買ったりしていて、
出会うと、おしゃべりしている。
夕方、散歩していたら、
家の玄関先でおしゃべりしている人たちが、あっちにもこっちにも。
なんだか、のんびりしている。
時間の流れが違うんだよなあ、と思う。

実は先週のあたまには、豊洲市場の仲卸の店に取材でおじゃました。
コロナの影響で客足が減ったとはいえ、
ターレ(市場内の電動乗り物)がびゅんびゅん行き交って、
とにかく活気がある。時間が早送りみたいに過ぎていく。

あまりに違うなあ。豊洲市場とやんばるの集落。

私はどちらに属すわけでもなく、ただそこにおじゃまして見せてもらっているだけだ。
うわあ、すごい、うわあ、うらやましい、とその都度思い、
でも、家に帰ってきて、いつも通りに朝近所の公園を散歩して、
コーヒーをいれて自分の机に向かう時間が、やっぱり好き。
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by naomiabe2020 | 2021-10-12 10:41 | ライターの仕事 | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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