夏休み、おわり

ぎゅうぎゅうに服を詰め込んで、もはや女子の力では持ち上げられないスーツケースと、
あれ持ってけ、、これも持ってけ、と父ちゃん&母ちゃんが用意した食べ物の入ったバッグとリュックサックを背負い、
娘が本日、帰っていった。
あっという間の夏休みだった。

この夏、娘は2週間を牧場で過ごした。
山地(やまち)酪農、といって、牛舎はなく山に放牧をする牧場で、
牛はひろーい山の上で、野にはえている草(芝)を食べる。
搾乳の時には、人が牛を追って搾乳の場所まで連れて行く、という独特な酪農らしい。
大学の先生が、「ここ、いいよ」と教えてくれた牧場に、
「ぜひ、実習をさせてください」と直接お願いした娘。
PCR検査の陰性証明書を持って、ひとり、山の上の皆さんのもとへ。

初日に、「帰りたい」と弱気メッセージを送ってきた娘が、
2週間後に帰って来た時には、「ろすってる」と言うから、
は? 何それ? と聞けば、「牧場ロス」。
みんなに会いたいなあ、と。

大学の授業もオンラインが多いし、
これだけ、「密」を避けよ、と言われる日々で、
山の上での、スタッフ皆さんとの共同生活は、相当に濃厚なお付き合いだったはずだ。
山の木を切る現場で手伝ったり、草を運んだり、
牛を追ったり、搾乳したり。
食事は、皆が自由に作って一緒に食べる、というスタイルだったようで、
話を聞いたときは、うちの子大丈夫かい? と密かに心配していたのだけれど、
皆さんが、いろいろふるまって下さったらしい。
娘も、1人暮らしの定番「マーボナス」を作ったらしい。

たぶん、いろんな生き方があることを知れたことが、
娘にとっては、一番の収穫だ。
「夢を語れ」と、牧場の師匠は言ったそうだ。
娘は、そこで出会った人たちの、
これまでのこと、これからやりたいこと、夢、について、
耳をダンボに話を聞き、いろんなことを思ったらしい。
それにしても、見ず知らずの人間を受け入れてくれる、
こんな場があることは、すごいと思う。
ありがとうございました。

気が抜けてしまった、母ちゃん。
「おべんとう甲子園」の作品に、なんだか励まされている。

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娘に持たせたもの、いくつかの写真。
私の母が今年作った梅ぼしと
久々に作ったアーモンドケーキ、紅玉のジャム、海苔の佃煮(サトル作)。
ほかに、サトル父さんが早起きして、せっせとおむすびを握り、
「途中で食べな」と言って持たせる。














by naomiabe2020 | 2021-09-27 14:24 | 家族のこと | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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