満点の星の下で

昨日は、仕事で某プラネタリウムへ。
インタビューの後、その日の最終回の投影を見せてもらう。

これがもう、至福のひとときだった。
夜7時から始まるそのプログラムは、星空を見ながら音楽を楽しむ内容。
リクライニングシートを倒して見上げると、
星しか見えない。
そこに、音楽が流れる。
その選曲がまた良くて、
あの真っ暗な空間で、歌声がじわっと体にしみ込む感じ。
名前を聞いたことがないので、若手のシンガーソングライターたちか。
音楽の合間に、星空解説員さんによる星の話が入るのだが、
彼女の声の心地よいこと。

それで、思った。
20代中頃の私を、ここに連れてきたかったなあ、と。
50歳の今の私も十分いい時間を過ごせたんだけど、
20代の、先行きが不安で、やたらともがいていた自分が、
仕事帰りにここに来たら、きっと泣いちゃっただろうな、と思った。
自分が抱えている事柄なんて、小っちゃなことじゃん、と思って、
1時間後に扉を出る時には、ちょっと、すっきりした顔になっていただろうな、と。

プラネタリウムを出て、帰り道。
十六夜のまんまるの月が出ていた。

駅構内で、もじもじした様子の若い青年に声をかけられた。
困りごとかな、と思って足を止めると、
コロナで経済的に苦しいので、
チョコレートを売っています、ということが書いてある紙を差し出された。
自分は留学生だという。
「どこの国から?」と聞くと、
「フィリピンです」と。
「コストコで買ったんです」という、チョコレート菓子。
ひと袋千円です、と遠慮がちに言われて、購入。

家に帰って、ドライカレーとコールスローの夕飯を食べる。
遅くなるのがわかっていたので、珍しく家を出る前に自分で作っておいた夕飯だ。
私より少し早く家に着いた夫も、NHKニュースを見ながら夕飯を食べていた。
食後に、そのチョコレートを食べた。
ウェハースのチョコのお菓子、久しぶりに食べたけれど、やっぱりおいしい。
好きなのだ。

紙袋の中には、プラスチックの小袋がふたつ入っていて、
5個ずつ、計10個のチョコが入っていた。
コストコで大袋で買ったものを、小分けにした様子。
その包装の仕方がとても丁寧で、
袋の口を結ぶ、あの針金のにょろにょろしたやつを、
しっかりと、ぐいぐいとねじってあって、なんだかその作業をしている彼の姿が目に浮かぶようだった。
几帳面な人柄が出ているなあ、と思った。


「おべんとう甲子園」の出品作品がどさっと届いたので、
ひとつひとつと向き合い始めた。
見ていると、お腹がすくなあ・・・・・・。



























by naomiabe2020 | 2021-09-23 12:17 | ライターの仕事 | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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