
仕事がひと段落したので、「今だ!」とばかりに、
気になっていた藤戸竹喜さんの展覧会へ行く。
東京駅の丸の内側にある「東京ステーションギャラリー」。
(コロナ禍なので、事前にネットで時間指定をしてチケットを購入)
木彫り、に鳥肌が立った。
熊の迫力もすごかったけれど、私は「フクロウ祭り ヤイタンキエカシ像」と、
「樹霊観音像」の前で動けなくなってしまった。
会場内での写真撮影はできなかったから、今ここに載せることはできないのだけれど、
写真では到底伝わらないと思う。
あの場所で、像と対峙してみると、もう圧倒されてしまってぽーっとしてしまう。
「狼と少年の物語」は、物語に沿って20点近い彫刻が並ぶ。
狼に特別な気持ちを抱いていた、という藤戸さんの晩年の作品。
物語を、木彫りの作品で表現することにも驚いた。
ずいぶん前、阿寒湖畔の藤戸さんのお店「熊の家」に行ったことがある。
阿寒湖畔は、アイヌの人たちが営む木彫りの土産物屋が軒を連ねていて、
そのひとつ、という軽い気持ちで店に入って階段を降りて地下室へ行ったら、
空気が全く違って息を呑んだ覚えがある。
藤戸さんの作品が並んでいた。
それは、子どもの頃実家の居間にあった、ウポポ人形や熊の置物とは別次元というか、
ものすごい迫力で語り掛けてくるようなものばかりだった。
あれ、すごい所に来ちゃった、と思い、
なんだか心臓がばくばくした。
あの時、コタン内でアイヌ舞踏を披露していたるりさんのお弁当を取材したのだった。
当時まだティーンエイジャーだった彼女は、今どうしてるかな。
ずいぶん経ってから、今度は、藤戸竹喜さんの弟の幸夫さんの取材をした。
幸夫さんも木彫りをしていて、その時は小刀「マキリ」を取り上げさせてもらったのだった。
斧でざくざくと木を粗削りする姿を見せてもらった。
幸夫さんは、胸板が厚くて腕はがっしり筋肉質で、削る姿がかっこよかった。
彫る人というのは、やっぱり体が資本なんだな、なんてことを思ったのだけれど、
今回、竹喜さんの展覧会場で、ご本人が作業している様子がビデオで流れているのを見て、
ああ、やっぱり同じ腕だ、なんてことを思った。
幸夫さんの取材では、ご自宅におじゃましたのだけれど、
うちは夫婦+小学生だった娘も一緒で、
娘の姿を見るや、幸夫さんが近所にソフトクリームを買いに行ってくれた。
娘は突然、溶けかかったソフトクリームを手渡されて、
おおっ!と驚き、父さんと母さんが取材を始めた横で、必死に(たらさないように!)いただいていた。
ああ、懐かしい。
幸夫さんの、素朴なやさしさが嬉しかった。
というようなことを、いろいろ思い出しながらの
竹喜さんの作品鑑賞だった。
最初はベビーカーの上、次は小学生として私の横にひっついていた娘は、
大学生になって、私と一緒に作品に見入っていた。
「なんか、すごいよね」
彼女も言葉にならず、像の前で立っていた。
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