巣立ったの?

朝ご飯を食べながら、何かが足りない、何か違う・・・と、しばし考える。
やけに、静かなのだ。
もしや、と思って窓を開けてじーっと耳をすますと、しーん。

シジュウカラのヒナたち、がいなくなったらしい。
巣立ったということ?
まさか、何モノかに食べられていないよね、中で死んでないよね。

餌をくわえたシジュウカラが、巣(電気メーターのボックス)の中に入ってすぐ、
そのまま出てきた。
しばし、様子を見る。
でも、やっぱりしーんとしている。
うちの柿の木にとまって鳴いているシジュウカラが数羽。
よーく見ると、羽がまだフルフルと震えている感じだ。
もしかして、巣立ったのかな。
昨日、鳴き声MAXっていう感じの勢いで、
それにこたえるべく、親たちは行ったり来たり、かなりのハードワークで餌運びをやっていた。
正直ちょっと静かにしてね、という心境ではあったのだけれど。
無事、巣立ったのだとしたら良かった。でもさみしいものだなあ。

鳥の様子をみながら、玄関まわりの草むしりをした。
椿の木を、じっと眺める。
見つけたくないな、いたら嫌だな、とへっぴり腰気味に、椿の葉をゆらす。
最近、葉の裏にびっしり毛虫、という事態が何度か発生。
あれは、恐怖だ。ビニール袋を用意して、その中にうまく落ちるよう、
恐る恐るハサミを入れて、落下させて袋を縛って捨てる。
この前は失敗して地面に落として、どくだみ畑の中へ・・・・

おとなりさんは、「毛虫は靴で踏んづけちゃえばいいのよ」と言う。

椿を見ていたら、蛇を発見。
30センチくらいの長さの、細い蛇。舌をちょろちょろさせながら、ゆっくりと動いていた。
毛虫を見つけたら、きっと食べてくれるのだろうな。

私は蛇は嫌いではないので(怖いけれど)、毛虫みたいに毛嫌いはしない。
蛇を見ていて、父を思った。
蛇、という言葉を誰かが口にしただけで、烈火のごとく怒りだす人だった。
何かの会話の中で、ひょいっと出てきただけで、突然形相が変わった。
テレビで、蛇の画像が出て来たり、蛇の話題になったりしたら、
もう、その夜の食事は最悪だ。
こんなもの、見せやがって、とテレビ局に苦情電話を入れたかもしれない。
その父は、蛇年生まれなのだった。皮肉というか、なんというか。
父に対する謎はいくつもあるけれど、
どうしてそこまで蛇を嫌うのかも、大きな謎だった。

おとなりのKさんが、「ちょっとだけど、食べて」と、お赤飯をくださった。
嬉しい。おとなりさんは、私たちがKさんの赤飯が大好きなのを知っていて、
ちょくちょくおすそ分けしてくれる。
その時に、ヒナがいなくなったことを伝える。
ついでに、蛇を見つけたことを言うと、
「えー、わたしは蛇だけはダメなの」と、困り顔。
「ネズミでも毛虫でも、なんでも大丈夫なんだけどね、蛇だけはいや」

「こっちへ来させないでね」と本当に恐怖の顔で言うので、
「はい、大丈夫。うちの敷地にいるように、言います」とこたえる。

電気メーターのところ、(ヒナがいたところ)、
来年もくるかしら。
卵の時、蛇に狙われるのよね。
お宅の庭に蛇がいるってことは、
来年はメーターのところに蛇がくるかもしれないわね。
ふさいじゃおうかしら。
だって、蛇だけは嫌なんだもの。

・・・・・来年、おとなりさんがこのことを忘れていますように。
また、シジュウカラの巣立ちを迎えられるといいな。
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さきほど、近所に住む友達がもってきてくれた山菜。
いただきもの続きで、ありがたいなあ。

by naomiabe2020 | 2021-06-02 17:04 | 日々のこと | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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