朝早いの結構得意なんです、なんて言っていた自分はどこへやら、
このところ、遅起き。
なんせ、朝目が覚めた瞬間、体が球体になっているワタシである。
人間になってから動き出すとなると、準備時間がいる。
娘の都合に合わせてずっと生きてきて、
これからはもう、朝寝坊しようと、だらだらしてようと、
仕事さえちゃんとできていれば、誰にも文句は言われない・・・はず。(だよね、サトル父ちゃん)
それなのに、私は変に真面目な性格だから、
ここのところ、生活時間が後ろへずれつつある自分に、ちょっと罪悪感みたいなのを感じている。
寝起きにパジャマ姿で新聞を取りに玄関扉を開けたら、
お隣の大家さんの奥さんと、珍しくばったり。
「ヨウちゃんがいなくなっちゃって、さみしくなったでしょ」と言われて、
そうなんですよー、と、ぼさぼさ髪で応える。
「朝、いってきまーす、って元気な声がよく聞こえてきたでしょ。
あれが聞けなくなっちゃって、さみしいなあ、なんて思ったら、何か私のほうがうるっときちゃったのよ」
そんなふうに言ってもらえて、嬉しい。
「一人娘なのに、よく外へ出したわよ。
いい子育てしたわよねー」
朝からそんな言葉をもらって、心があったかくなった。
そしたら少しして、「庭で咲いたの、どうぞ」
と、山アジサイをいただく。

別の日の朝、反対側のお隣さんが庭の植木に水やりをしているところに遭遇。
「シジュウカラのこどもが、この中にいるみたいよ」と、壁にとりつけてある電気のメーターボックスを指さした。
「お宅の木に、シジュウカラが止まってて、私がいても全然動かなかったの。
それでね、じーっと見てたら、この電気メーターの中に入っていったのよ。餌をあげてたの」
外から見ても、何もわからない。
でも、声は聞こえていた。
最近、ちぃちぃ、ちぃちぃ、どこからともなく叫ぶ(けっこ激しく)声が聞こえてたのは、
シジュウカラのヒナだったのね。
すごい発見をふたりで分かち合ったみたいで、やけに楽しい気分。
こののところ、ずーっと家で原稿を書く毎日だった。
ただひたすら机に向かう毎日は、地味。もう、本当に、地味な日々。
でも、半径数メートルに癒される。