豊洲市場へ

午前3時半に、豊洲市場の南門前に集合!

この取材にあたっては、ずいぶん前から恐怖ではあった。
あたし、起きられるのだろうか。
ちゃんとやれるのか。

まず、豊洲市場の仲卸はテレビで見たことがあるけれど、
威勢の良さそうな男衆の集まり、魚の目利きばかりがそろった場所で、
私のような者がうろうろしたら、かなり場違いな感じだ。
2月あたまの今、相当寒そうである。
そして、極めつけ。朝4時スタートの仕事現場、である。

前の日から、取材体制である。
午後7時には布団の中に入る、と決め、
朝からもう夜の寝る時間に向かってカウントダウンするような過ごし方。
昼過ぎにはスーパーへ行き、明日はまぐろの仲卸取材だから、とめばちまぐろの切り落としを買う。
胃がきゅっと縮む感じがして(プレッシャーか)、胃に優しそうな煮物を作ろうと決めた。
帰ってすぐ、夕飯の支度。鶏肉、大根、ごぼうなどで煮物を作る。
5時に風呂、6時にひとりめし。
めばちまぐろのトレイを裏返してみたら、「韓国」とあって、酸化防止剤などが入っていることが判明。
へー、そうだったのか、と改めて驚く。韓国で水揚げされたってこと? そして、手を加えられてあったのか、と。
7時に布団へ。
娘がアルバイトから帰る前である。置手紙で、くれぐれもドライヤーは洗面所ではかけてくれるな、と念押し。
静かにしてね、と。

夜中1時半に目覚ましが鳴り、2時20分頃家を出る。
なんて言いつつ、サトル父ちゃんに送っていただく。
編集部はホテル泊でもいいですよ、と言ってくれたのだが、できれば自宅から行きたいと思ってサトルさんにお願いしたら、
有難いことにオッケイをいただいた次第。

真夜中のドライブで見えた景色は、いつもとは全く違っていた。
工事現場で働く人たちに、おつかれさん、と心の中でエールを送る。
握ってきた、たらこ入りのおにぎりとほうじ茶で腹ごしらえをして、3時すぎに現場に到着。

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こちらが、まぐろのセリの場面。いや、実際はセリの前に仲卸の皆さんが品定めをしているところ。
築地ではセリ場まで入れたようだが、豊洲市場はその点厳しく、
事前に申請をしたメディア関係者も、一般の人たちと同じ見学者用スペースまでしか入れない。
つまり、ここは誰でも入って写真が撮れるということ。

セリの場は、凄かった!
ガラン、ガラン、と一斉に鈴が鳴ったと思ったら、セリ人が体を大きく動かしながら、
すごくいい声で、数字を言い始めた。
究極のコミュニケーションだと思った。最速の!
なんであれで伝わるの? 何が起こっているんだい?という感じなのだが、
熱気と独特のリズムに、鈴の音と。
そしたら、私たちが取材をしている仲卸の女性(そう、女性です!)が、目当てのめばちマグロをセリ落とし、
ものの5分で、本日の私たちのセリ場の取材は終了。
しかしながら、柱が邪魔でよく見えなかった・・・・なんてこと!

その後、昼ころまで、仲卸の店で取材。
荷を積んで走るターレが、びゅんびゅんと行きかうので、ぼーっとしているとひかれる。
狭い通路を、ぎりぎりにすれ違うターレの運転技術は皆さん凄いもんだ。

無事に取材を終えることができた。
ハードルが高い、と勝手に思い込んでいた現場であったけれど、
仲卸さんが、とても大らかで温かく受け入れて下さったことがありがたかった。
豊洲市場が、ぐっと身近に感じられたのも嬉しかった。

取材を終えて、夕方帰宅。
帰った途端にへなへな、と力が抜けて、また夜7時には布団へ直行となったのでした。
そいでもって翌朝起きたものの、疲れが抜けないわあ、と2度寝となって、
さあて、一日を始めなきゃ、と思ったのが昼ころ。
ってことは、豊洲市場のみなさんはもう、本日のひと仕事を終えたところではないか。
私は彼らが働いている間中、ずーっと寝てたってこと?!
あああ、なんとまあ。








by naomiabe2020 | 2021-02-10 13:59 | ライターの仕事 | Comments(0)

フリーライター阿部直美のブログ。カメラマンの夫とともに、「お弁当」を追いかけて日本全国を旅しています。日々のちょっとしたことを綴るブログです。


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