「この週末は、お弁当よろしくねー」と娘に言われる。
重機を扱う講習を受けるので、土日とも学校へ行くという。
「でね、お弁当持って行くの、これが最後なんだ」
あれ? そうなん? 拍子抜け。
期末テストも終わり、あとは登校日に数時間学校へ行けばいいという。
そして本日、5時起きで高校生活最後の弁当を持たせる。
ハンバーグも、新じゃがの味噌和えも、茹でたブロッコリーも、
昨晩サトル父ちゃんが作った夕飯の残りを入れただけ。
ラッキーだった。
私は朝起きて、ゆで卵を作った。そして、ぎゅうぎゅうに詰め込む。


6時に娘を送り出して、そのままベッドへ直行。
日曜日だもの、もうひと眠りだ!と布団の中でぬくぬくしながら、
ああ、最後の弁当か、と何だか感慨深く、
幼かった娘を連れて弁当旅をしていた頃のことまで思い出されて、
ちょっとさみしくなったりして。
実は、この春から娘は地方の大学へ行く。
家を出ての1人暮しがスタート。
自分だって高校を卒業して群馬の家を出たのに、
ああ、朝が弱い娘がご飯なんて自分で用意して食べられるんだろうか、とか、
あたし料理好きなんだーとか言いながら、実際にやってないじゃん、どうするつもりだい? とか、
あーだ、こーだと心配が止まらない。
送り出す側の気持ちが、今わかる。
結局2度寝できずに、起きて仕事をした。
この前取材した、豊洲市場で働く女性のインタビューのテープ起こし。
男ばっかりの職場で、
イキイキと仕事をしている彼女の言葉は、とにかく弾んでいた。
娘も、自分の道を歩き始めたところだ。
豊洲市場の彼女みたいに、逞しくずんずん自分の道を進んで行って欲しいなあと思う。
楽しいんです、とあんなふうに言える人って素敵だ。
たぶん今頃、娘はユンボに乗っているはず。
去年の今頃は、確かチェーンソーの講習を受けていたっけ。
親が思うより、たくましいのかもしれないなあ。