なんだか、新年早々に気が抜けてしまって、
あたしダメだわあ、とソファに倒れこんだり、
絨毯の上でごろごろしたりして、気づけば成人の日。
年末から、テレビをつければコロナの感染者数と、生活するうえでの注意点と、
医療のひっ迫と・・・・そして「緊急事態宣言」。
サトルさんの撮影仕事がまず延期になった。
仕事がそうやって延期(もしくはキャンセル)になるのはつらい。
しかし、この状況で取材を続けることだって同じくらいにしんどい。
取材をお願いできませんか、と依頼することが本当にしんどい。
同じ、緊急事態宣言の地域内だったら許されるのか、
地方はダメで、都市部はいいの?
そんな判断基準は、おかしいはずだ。
しかし、連載は穴をあけられない。
去年も同じだった。
春、緊急事態宣言が出て、いろんなことが自粛になった頃、
隙間をぬうように、静かに、目立たぬように、しかしとにかく必死に取材をした。
感染対策は、もちろんした。
しかし、こればかりはわからないじゃないか。
誰にだってわからない。
不安でたまらないけれど、マスクをして手洗いをして距離を保って、やれることをする。
また、同じ事態になったんだな、と思ったら、
ひどく疲れてしまって、気持ちが落ちてしまって、ずっとふて寝していたいくらいだった。
あれ、原稿の締め切りが近いじゃないか、ということで、
原稿を書いている。
目の前のことをひとつひとつ、とにかくやっていこう、と思ってやるうちに、
いつものペースというか、いつもの自分が戻ってきた。
テープ起こしをしていたら、取材した人の言葉がぐっときて、うんうん、と頷き、
そうだよなあ、ほんとだなあ、と気持ちがあつくなり、
気付けば、元気が出ていた。
そうなのだ。私は、いろんな人を取材させてもらっているが、結局こうやって自分自身が力をもらっている。
だからそれを、文章にして、他の人たちにも伝えなきゃいけない。